Small Winsを作った理由
はじめに
Small Winsを使ってくださっている皆さん、ありがとうございます。
このアプリを作ったきっかけは、ごく個人的な経験です。習慣化しようとするたびに同じパターンで挫折していた自分が、「これは仕組みの問題だ」と気づいたことから、開発が始まりました。
「連続」という呪縛
多くの習慣アプリは「連続日数(ストリーク)」をメインの指標としています。100日連続!というのは確かに達成感があります。でも、1日でも途切れると数字がゼロに戻ってしまう。
その瞬間のがっかり感で、「もういいや」となってしまう人は多いと思います。私もそうでした。
試算してみたことがあります。1年間(365日)で、いくつかの理由で習慣が途切れるとします。
- 風邪で3日 → ゼロにリセット
- 旅行で2日 → ゼロにリセット
- 仕事の繁忙期で1週間 → ゼロにリセット
それだけで、アプリを「もうやめよう」と思う機会が何度も訪れます。現実には、習慣を365日完全に維持できる人はほぼいません。体調、仕事、家族、旅行——生活の中には必ず「やれない日」がやってくる。
問題は、連続が途切れることではなく、途切れた後に「もうどうせ無駄だ」とやめてしまうことです。
アトミックハビッツが教えてくれたこと
James Clearの著書『アトミックハビッツ』には、こんな言葉があります。
「習慣を失わないようにしなさい。でも、もし失ってしまったら、2回連続で失わないようにしなさい。」
1日休むことは問題ない。でも2日連続で休むと、「もうやめた」につながりやすい。
この考え方に深く共感しました。習慣は完璧に続けるものではなく、途切れながらも長期的に続けていくものです。そのためのツールがあまりにも少ないと感じていました。
積み上げは消えない
Small Winsでは、連続日数ではなく「累計」を大切にしています。
100日のうち70日やったなら、その70日分の積み上げは消えません。残りの30日は「休んだ日」であって「失敗した日」ではない。
この設計思想にたどり着いたのは、自分自身の習慣の記録を振り返ったときです。「ゼロリセット」された日の後、アプリを開かなくなっていました。でも、実際には休む前に積み上げてきた日々の努力は、確かにそこにあったはずです。
数字がリセットされても、あなたが積み上げてきた実績は消えていない。
それを可視化するのが、このアプリの根本的な考え方です。
設計でこだわった3つのこと
1. 累計回数の表示
「今日で何日連続」ではなく、「これまで合計何回やった」を中心に据えています。連続が途切れても、累計数はただ増え続けるだけ。途切れた日があっても、それは単なる「増えなかった日」にすぎません。
2. 再開のハードルをゼロに
習慣が途切れた後にアプリを開くのは、心理的に重い。「また1からやり直しだ」と感じると、開く気になれません。
Small Winsでは、1週間休んでいた人が再開したとき、アプリが「また始めたね」と静かに受け取るだけです。責めない、急かさない、比較しない。そういう設計を目指しました。
3. シンプルさの徹底
機能を削ることに一番時間をかけました。グラフ、統計、カテゴリ分類、リマインダーの細かい設定——これらはすべて「便利そうだが、使い続けるうちに負担になるもの」として判断しました。
起動して、タップして、閉じる。それだけで記録が残る。そのシンプルさが、習慣化できていない人にこそ必要だと考えています。
想定しているユーザー像
このアプリは、「習慣化が得意な人」ではなく、「何度も挫折してきた人」のために作りました。
- 習慣アプリをインストールするたびに、数週間で使わなくなる
- 連続が途切れたとたん、「もうやめよう」という気持ちになる
- 細かい設定や統計を管理する気力がない
- とにかく「続けること」より「また始めること」を大切にしたい
そういう人が、長期的に使い続けられるツールを作りたかった。
完璧主義が習慣を壊す
習慣化が難しい最大の理由のひとつは、完璧主義です。
「毎日やらなきゃ意味がない」「1回休んだら失敗だ」という考え方が、長期的な継続を妨げます。研究によれば、習慣を完璧に続けようとする人より、適度に休みながらも長期的に続ける人のほうが、最終的な成果が大きいことが多いとされています。
Small Winsはその考え方を設計に反映させました。「やれた日」を積み上げる。「やれなかった日」は気にしない。
これからも続けます
このアプリはまだ発展途上です。ユーザーの皆さんのフィードバックをもとに、少しずつ改善していきます。
「こういう機能があったら使いやすい」「この部分が使いにくい」といったご意見は、開発の直接の参考になります。
ご意見・ご感想は [email protected] までお気軽にどうぞ。
習慣化に何度も挫折してきた方に、このアプリが「また始める」きっかけになれば、それがいちばんうれしいことです。